～マイナンバー制度の施行に伴う取り扱い～
マイナンバー法（正式名称：行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律（平成25年法律第27号））が施行され、昨年の末から「通知カード」の送付や「住民票」への個人番号の記載が始まりました。運用の開始に伴い、みなさまの職場におかれましても個人番号の取り扱いに関する新しい基準ができているのではないでしょうか。
今回は、登記申請における個人番号の取り扱いをお伝えします。
【住民票】
住所変更登記や新築建物の保存登記手続きなどの際に、法務局に住民票を提出します。この住民票には個人番号の記載は不要です。
また、個人番号が記載された住民票の「個人番号部分をマスキング」した場合（事後的に個人番号部分をマスキングした場合）には、法務局で受け付けてもらえず、住民票の再度の取得が必要となりますのでご注意ください。
【個人番号カード】
お客様が権利書（登記識別情報）を紛失しており、権利書の代わりとなる本人確認情報の作成が必要な際に、運転免許証と同様に「個人番号カード」をもって本人確認資料とすることができます。
この場合も、必要な情報はカード表面に記載された住所・氏名・生年月日・性別の情報であり、裏面に記載された「個人番号」の情報は不要です。
上記のとおり、司法書士が個人番号を必要とする局面は現状ありません。お客様から登記申請のために各種書類等をお預かりいただく際には「個人番号の記載がないもの」をいただけると大変助かります。
今回の取り扱いに関しまして、ご不明な点等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
（コラム担当：宮田 圭佑）
～成年後見制度について～
先月の「成年後見制度」が好評でしたので、今月は引き続き後見になりますが、必要となる場面に絞ってご紹介いたします。
①銀行の手続
→定期預金の解約や高額の振込など、金融機関の窓口での手続きが必要となったときに、本人が認知症などにより判断能力が低下した方の場合。
②不動産の売却
→判断能力のない方が、不動産の売却などの手続を進めるとき。
③遺産分割
→判断能力のない相続人は、遺産分割協議を行うにあたり自身の意思を表示することができない。 このとき、本人に代わって協議に参加してもらうとき。
これらは代表的な例です。他にも様々なときに後見制度の利用を検討しなければなりません。
例えば、不動産について言えば、売却に限らず、担保権を設定するにあたり、設定者（不動産所有者）の判断能力が低下している場合には、同じく後見制度の利用を考える必要があります。
後見申立から後見人が選任されるまでには、一定期間を要します。
何か気になることがありましたら、その際にはお気軽にご相談下さい。
（コラム担当：舟木 孝普）
～成年後見制度について～
日本人の平均寿命は、先日の厚生労働省の発表によると、男性が80.21歳、女性が86.61歳でした。
ただ、現代の最新医療で長生きできたとしても、認知症になって自分で自分の意思が表示できなくなる「長生きのリスク」も問題となります。
そして、日本は超高齢化社会になりつつありますので、取引の現場でも、認知症高齢者の方と取引をする場面に遭遇することが増えると予想されます。
言動に明らかに問題があるとみられる高齢者の方に対しては、「成年後見制度」を利用して頂くことをお薦めいたします。
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が衰えたあとに、認知症の方の支援をする人を選ぶ制度です。家庭裁判所に申し立てをして、支援する人（後見人）が選任されます。後見人には、親族だけでなく専門家の弁護士・司法書士が選任されることもあります。
問題なのが、成年後見制度の利用には費用や時間がかかること、また、基本的には認知症の方が亡くなるまで、後見人の支援が続くということです。
成年後見制度を利用する際は、一度司法書士などの専門家に相談してください。
なお、あすかフロンティア事務所では、家庭裁判所への書類作成のお手伝い、後見人となったご親族のサポート、後見人としての直接的なサポートをご要望に合わせて行いますので、お気軽にご相談ください。
（コラム担当：髙橋 哲）
